#03『GUNDAM BASE そもそも…』
※ 韓国GUMDAM BASEの様子
海外でのガンプラ需要は国内でガンプラブームと呼ばれた1980年代前半から国内流通を通じて海外でも一部販売が行われていたが1990年代の後半から各国の現地販売代理店を通じた本格的なガンプラ海外展開が始まった。
2011年にスタートしたGBWCの前身となるガンプラアジア杯が参加7エリアで始まったのが2003年で、その後参加エリア数を増やしながら世界大会となりGBWCへと繋がっていく訳だが、このようなガンプラコンテストが開催されるようになったのは導入間もない海外でガンプラを市場に定着させ拡大していくためにユーザーにガンプラを作る目的を意識してもらうという点にあった。
また新たな市場でガンプラを認知してもらうべくコンテストと並行して各国での展示会が開催され、これは後にガンプラEXPOという名称となり今に至っている。
当初各国で独自に行われていた販促のための施策は各エリア共通のフォーマットのもとに効率化されコストダウンが図られることで、ガンプラ浸透度の深浅に関わらず各エリアでの実施が可能になってきている。
とはいえ、そのエリア環境やユーザーマインドの違いからイベントはローカライズされ、また、独自の施策を採るエリアも実際にはある。
韓国では販社であるバンダイコリアが2003年にガンプラをメイン商材とする直営店として ※1「GUNDAM BASE.Side1」をソウルの龍山にオープンした。
以後出店を増やし現在は韓国国内に9店舗のGUNDAM BASEが営業している。
ガンプラを知ってもらい、ガンプラを買う場所を提供し、ガンプラを作る目的を意識してもらう。
イベント、ショップ、コンテストが一体となって市場開拓を行ってきたことになる。
2005年には韓国とは異なる運営形態で台湾の台北で「GUNDAM BASE TAIWAN 1號店」がオープンし、現在は台南の高尾の2號店とともに営業している。
全11店舗となるガンダムベースはそれぞれに特徴を持つ店舗ではあるが、基本的にはショップ機能の充実が図られた店舗で、そこで蓄積されたノウハウはガンダムベース東京のショップ機能に反映されることになる。
更にEXPOで得られたプロモーション機能や、現在、そして未来のガンプラビルダーたちが望むであろう施設要素を盛り込む形での総合ガンプラエンターテインメント施設としてのガンダムベースは初めての試みとなる。
ここで得られたノウハウは韓国、台湾で営業されているガンダムベースにもフィードバックされ更にユーザービリティの高いショップになるだろうし、今後日本、韓国、台湾に限らず他エリアでの市場開拓を目指す際のモデルケースになるはずである。
同じ名前を冠する施設同士のつながりが深くなればユーザーへの発信力は必ずや強まるものと確信している。
※1、現在は龍山駅直結の駅ビルにアイパーク店が2010年にオープンしたこともあり1号店は閉店。その後アイパーク店が9店舗の中で一番の賑わいを見せている。
文:川口 克己